願名寺
願名寺は牛久市の東端、奥原町にある時宗(※1)の寺です。
奥雲山龍池院と号し、鎌倉時代後期の弘安3年(1280年)に宗祖一遍上人(※2)が開山したと伝えられています。境内は約2,700㎡あります。
元禄期(1688~1704年)に伽藍(※3)を焼失 してしまいましたが、天明4年(1784年)に本堂が再建されました。
境内の様子
本尊:阿弥陀如来坐像
本尊:阿弥陀如来坐像(※4)は鎌倉時代初期の作品といわれ、木造寄木造で像高は79cmです。
平安時代中期に活躍した仏師定朝(※5)の様式をくむ貴重な作品とされ、茨城県の指定文化財(昭和33年3月12日指定)となっています。
虚空蔵菩薩立像
文化財の指定は受けてはいませんが、室町時代の作とされる貴重なものです。
梵鐘
太平洋戦争の最中の昭和17~18年頃に軍事物資として提供し、現在の境内には、かつての大釣鐘の姿をみることはできません。
(※1)時宗(じしゅう)
鎌倉時代中期に一遍が開いた浄土教の一派。「阿弥陀経をより所として平生を臨終と心得て念仏を唱える」ことを旨とした他力念仏。一向宗ともいわれた。
(※2)一遍(いっぺん)上人
鎌倉時代の僧。時宗の開祖で名は智真という。はじめは延暦寺で天台宗をおさめ、1252年(慶長4年)大宰府西弘寺の聖達に浄土教を学び、以後善光寺・高野山・熊野などを巡拝して、他力念仏の確信を深め、名を一遍と改め、死に至るまで全国各地を念仏遊行し250万人に結縁。その間宗教的感興にまかせて踊念仏を勧め、特に農民漁民などに信者を得ました。また、禅的傾向を有していたため、武士層にも浸透しました。
(※3)伽藍(がらん)
梵語「僧伽藍」の略。衆園・層園と訳し、僧侶たちが住んで仏道を修行する清浄閑静な所という意味で、後に寺院の建築物の略称に使用されるようになりました。
(※4)阿弥陀如来坐像
阿弥陀仏の尊称。西方にある極楽世界を主催するといわれる仏。法蔵菩薩として修行していた久遠の昔衆生(いのちあるもの。一切の人類や動物)救済のため四十八願を発し、成就して阿弥陀仏になったといわれています。
(※5)定朝(じょうちょう)
?(出生年は不明)~1057年(天喜5年)平安時代中期の仏師。
宮廷や藤原氏の命を受けて多くの仏像をつくった。平明円満な日本化された仏像を完成し、寄せ木造りの完成者ともいわれています。
施設データ
所在地 | 茨城県牛久市奥原町2412 |
電話番号 | - |
拝観時間 | 10:00~15:00 |
備考 | 普段は本堂には鍵がかかっており、本堂内を見ることはできません。 |